230422_全てを持っているあの子と何も持っていない僕②

かめたのコツコツ発達日記

いいなーと、そう思っている子がいる。

その子とは、去年2022年の11月頃に知り合った。
それから今日に至るまで、毎晩のように電話もしているし、
毎週会ってご飯を食べたり出かけたり、
クリスマスの日も一緒に過ごしてくれた。

付き合っている、といわゆるそういう関係だったのかもしれないけれど、
付き合うには至らなかったのは、僕の自尊心のなさが原因だったのだと、そう思う。

その子とは、何回目に飲んだ時だったかな、
2件目の飲み屋で、付き合うかどうか、
とそういう話になった。

その時に
「結婚願望はある?」とそう聞かれた。

僕は、自分の仕事が不安定である自覚があったし、
30までは、自分の将来の仕事、そのための技術をつける時期だと考えていたし、
その技術すら、ロクについていっている感覚がなかったから、
結婚、なんて到底考えることはできなかった。

「うーん、そうだな。僕は、結婚は子どものことを見据えてするものなんだと考えているんだけど、今の自分のしている仕事は安定していないし、子どもを育てることができる、という感覚はなかなかに持てない。だから今すぐに結婚を考えている、とかそんな風には言えないや。」
そう答えた。

「年齢のこともあるし、子どももほしいと思っているから、そもそも結婚願望を持っていない人とは付き合えない。」

そう言われ、付き合えないと言われたと早とちりをした僕が、
「分かったよ、、、」
と言った後すぐに、
「あ、いや今すぐとかってことではなくよ?私とってことにも限らず、そもそも願望があるかどうか?ってそういう話ね!」
そこまでを言ってもらえたなら、なるほどそれなら、はい!と言えるな、と思い、
「うん、結婚願望はあるし、子どももいつか育てられるような自分になりたいと思ってるよ。」
そう答えた。

「それなら、何度か出かけたりして、また考えよう!」
そういう話になって、また2人で飲みはじめた。

付き合うかどうか、それってその場で決まるものではないんだな、とそう思い、
結婚は考えてはいるけれど、結婚相手として僕がその子に相応しいのか、そう考えると、
到底そうは思えなかったから、僕はどこかでその子と付き合うことは諦めていた。

それから、毎晩電話をくれた。
僕は人に話ができる何かの経験もしていないし、
とにかく、できることは話を聞くことだ、とそう思い、ひたすらに聞いた。
感情豊かで、人との関わりに恵まれ、そして積極的に享受をしているその子の話を聞くと、
なんだか僕の感情にも動きがあるように思えて、
僕にない、憧れ続けたものを持つその子に対して、
僕は段々と惹かれていくようになった。

その子の感情豊かなその話を聞く毎晩の電話は、
ネガティブな僕にはあまりに眩しく、
自分が何も持っていないという現実に向き合うことになる苦しみを伴いつつ、
やはり魅力を感じている子からの電話は、
とても嬉しいものでもあった。

電話をする度に、会う度に、
僕はその子のことが好きになり、
そして自分の足らなさが目につくようにもなっていった。

なんで僕はこうなのだろうか。
そうつよく思うようにもなった。

どうして今なのだろうか。
会えたのが、どうして今ではなくてはならなかったのか。
もし、僕が安定した仕事や人間関係を築ける僕になった後に会えたならば、
魅力的なあの子と付き合うことができていたんじゃないか、
そう思い、電話が切れた後に、僕はよく泣いていた。
毎晩、自分の足らなさと情けなさに、僕は泣いていた。

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